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タイトル
  • ja PR3-ANCA陽性肥厚性硬膜炎に対するリツキシマブ療法
作成者
    • 野村, 太一
    • 片岡, 浩
    • 近藤, 真
    • 嶋村, 抄苗
    • 向井, 正也
内容注記
  • Abstract 肥厚性硬膜炎は、局所またはびまん性に硬膜が肥厚するまれな病態であり、ANCA関連血管炎との関連が強く、そのうちPR3-ANCA陽性例は頻度が少なく、かつMPO-ANCA陽性例と比較して、再発の頻度が高いとされる。当科で経験した35歳男性のPR3-ANCA陽性肥厚性硬膜炎症例は、 けいれんおよび難聴を主症状に発症し、ANCA関連血管炎性中耳炎を伴っていた。脳MRI所見は、小脳テントおよび左大脳脳表に硬膜および軟膜の肥厚所見と同部位のガドリニウム造影効果が認められ、PR3-ANCA陽性肥厚性硬膜炎として典型的な症例であった。本症例に対する治療としては、ANCA関連血管炎の治療方法に基づき、高用量ステロイドおよび4 クールのリツキシマブ投与を行うことで、速やかに臨床所見とMRI所見および血管炎の活動性指標であるBVASの改善を認め、その後免疫抑制剤の追加を行うことなく、1年以上の寛解を維持することが出来た。ANCA関連血管炎治療におけるリッキシマブについては、従来のシクロフォスファミド間欠静注療法や連日内服療法と比較して、明らかな優位性を示すエビデンスはまだ十分ではなく、今後の大規模長期試験のデータが待たれるが、骨髄抑制や悪心といったアルキル化剤の副作用がない利点があり、本症例のような全身性のANCA関連血管炎の治療オプションとして、十分期待できるものであると考えられた。
出版者 市立札幌病院
日付
    Issued2015
言語
  • jpn
資源タイプ journal article
出版タイプ VoR
資源識別子 URI https://sapmed.repo.nii.ac.jp/records/13779
収録誌情報
  • 市立札幌病院医誌
  • 74 2 開始ページ177 終了ページ183
ファイル
コンテンツ更新日時 2024-09-12