タイトル |
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脳梁膨大部の可逆性病変を有するインフルエンザ脳炎・脳症の1例:ADC,MRSによる病態の推定
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Abstract
[はじめに]インフルエンザ脳炎・脳症は、日本の小児に多発する予後不良(致死率30%)な脳炎・脳症である。その病態・治療は未だ確立されていないが、ステロイドパルス療法棟が推奨されている。今回我々は脳梁膨大部の可逆性病変を有し、臨床的にも軽症なインフルエンザ脳炎・脳症の1例を経験した。ADC,Proton MRS所見から、その病態を推測したので報告する。
[症例]11歳男児。3日間の発熱、上気道症状に引き続き4病日に左顔面不全麻痺、右片側不全麻痺を認め入院となった。迅速抗原検査にてインフルエンザBによるインフルエンザ脳炎・脳症と診断された。同日よりオセタミヴィル内服開始し、臨床所見は翌5病日には急速に回復した。MRI(5病日)では、脳梁膨大部中央ならびに中心構内側白質にFLAIRにで高信号の対称性病変を認め、病変のADCは著明に低下(ADC of the central splenium=0.325x10^-3^mm^2^/s)していた。10病日のMRIでは、上記病変は消失し、ADCも正常化(0.776x10^-3^mm^2^/s)していた。MRI上信号異常は消失していたものの、白質のProton MRS (PROBE PRESS, 5000/30, LCModelにて定量化)では、choline(Cho, 1.5mM[normal 1.2 +/-0.1mM])上昇(NAA, Cr 正常)を認めた。2ヶ月後のMRSでは、Cho(1.15mM)は正常化していた。
[考案]ADC,MRS所見より、病態としてcytotoxic edemaよりintramyelinic edemaの関与が疑われた。近年、脳梁膨大部の低ADC可逆性病変を有するインフルエンザ以外の軽症脳炎・脳症の報告が散見される。これらに対しては、ステロイドを含めた積極的な治療は不要な可能性がある。
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Other
第31回日本磁気共鳴医学会大会
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日付 |
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言語 |
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資源タイプ |
conference output |
資源識別子 |
URI
https://repo.qst.go.jp/records/60007
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コンテンツ更新日時 |
2023-07-10 |