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タイトル
  • 高LET放射線とフリーラジカルの生物影響
作成者
    • 平山, 亮一
    • 松本, 孔貴
    • 鵜澤, 玲子
    • 金子, 由美子
    • 平野, 祥之
    • 尾崎, 匡邦
    • 山下, 慶
    • 李, 惠子
    • 苅谷, 文子
    • 野口, 実穂
    • 白井, 敏之
    • 古澤, 佳也
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内容注記
  • Abstract 放射線の生物学的効果は、生体高分子に対する放射線の相互作用から始まり化学過程を経て生物効果として観察される。放射線と生体高分子との相互作用は、放射線のエネルギーが直接的に標的へ付与して障害が生じる直接作用と放射線が細胞内の水と作用し、フリーラジカルが生成され、それが標的に達し障害を及ぼす間接作用に分けられる。X線やガンマ線などの低LET放射線は細胞致死に対し、間接作用が主作用とされ、重粒子線のような高LET放射線では細胞致死に対する放射線作用は直接作用が主作用と報告されている。ただし、我々の実験結果ではLET 90 keV/µm程度の重粒子線でも細胞致死において間接作用が主作用(>50%)であることを報告している。水の放射線分解によって生じたフリーラジカルの中で活性が一番強いOHラジカルに着目すると、OHラジカルの収量(G値)はLET依存的に減少し、LET 90 keV/µm程度ではOHラジカルの収量はガンマ線の約半分にまで減少する。我々は細胞生存率曲線を放射線の直接作用と間接作用それぞれに起因する線量効果関係を導き出し、炭素線(90 keV/µm)の間接作用による生物学的効果をX線の場合と比較すると、約1.7倍も大きいことがわかった。このことは高LET放射線で誘発されるOHラジカルは収量が減少するものの生物学的効果はX線誘発のOHラジカルよりも高い細胞致死作用を示していることになる。X線誘発ならびに重粒子線誘発の“OHラジカル”は当然ながら構造的な違いはなく、生体高分子への作用としては変わらないはずであるので、OHラジカルの発生した空間的分布が生物効果の違いに反映し、重粒子線のような密にフリーラジカルを発生させる放射線では、非常に効果的または効率的に細胞へ障害をもたらしているものと考えている。
  • Other 日本放射線影響学会 第56回大会
日付
    Issued2013-10-20
言語
  • jpn
資源タイプ conference output
資源識別子 URI https://repo.qst.go.jp/records/65222
コンテンツ更新日時 2023-07-10