タイトル |
-
ja
緩衝空間のある環境型住宅の設計研究 入れ子形式による住宅設計を通して
|
その他のタイトル |
-
en
Research on Design of Environment Type Housing with Buffer Space Through Nested Construction Housing Design
|
作成者 |
|
主題 |
-
Other
環境
-
Other
緩衝空間
-
Other
中間領域
-
Other
半外部
-
Other
境界
-
Other
入れ子
-
Other
ダブルスキン
-
Other
皮膜
-
Other
外皮
-
Other
外屋
-
Other
内屋
-
Other
開放型
-
Other
建築表現
-
Other
形態表現
-
Other
空間表現
-
Other
複重、空間構成
-
Other
住宅
-
Other
設計
-
Other
サステナブル
|
内容注記 |
-
Other
type:Thesis
-
Other
本論文は、環境型住宅の緩衝空間に焦点を当て、本稿で定義する「入れ子形式」による実作品の検証を通して建築プロセスやその展開について分析し、一連の過程を考察することによって形式のもつ多様で柔軟性のある潜在的機能を明確にすることにより、今後の普及を示唆する応用活用ための研究である。本論文では、入れ子形式の空間形態を環境型住宅に適した新たな設計手法として考え、1)建築環境(社会・自然・都市)への適応性、2)建築的表現性、3)熱環境緩和への利用、4)サスティナブル性、といった利点に着目し論述した。 本論文は、以下の4章で構成されている。 第1章では、研究の背景として、現代の住まいを取り巻く環境の変化を示し、従来の建築機能の高性能化での対応の限界に触れ、新たな選択肢としての設計手法の必要性を述べた。また、緩衝空間の建築手法と構成を分類し、効果を整理した上で、設計手法を定義し直し、その緩衝空間の建築事例と特徴をまとめている。 第2章では、開放型入れ子形式の手法を応用した住宅作品「石見の家」(2005)を対象に、従来の住宅建築との相違点、問題点とその解決方法の抽出を目的として、建築プロセスにおける構想・設計・法対応・施工の各側面での過程の分析を行った。分析の結果から、建物内空間が外部に開放された入れ子形式は、一般的な住宅と比べ、建築諸制度との乖離と、各工程における設計細部の検討事項の増加が明らかとなった。 第3章では前章での考察を踏まえ、比較対象として、異なる立地環境の都市での展開について分析した。対象は、第2章の住宅と同様の空間形態をもつ住宅作品「喜連の家」(2009)である。まず、喜連の家での建築表現の特質を複数の主要な視点から横断的に分析を行い、石見の家と比較することで、その特徴と傾向を考察した。これによって、入れ子形式の建築手法では単層空間構成の住宅と比較して、表現に対する自由度が高くなることが明らかとなった。次に、実建物に於いて緩衝空間、内外部及び比較空間の熱性能を一年間継続して実測し、温湿度と建物各部の表面温度の測定結果結果をまとめ、入れ子形式の空間効果を考察した。主な特徴としては、温度および湿度の変動幅の緩和と夏期の遮熱に有効であり、断熱性は期待できないことが明らかとなった。また、蓄熱性については夏期と冬期において出現する効果の異なることがわかった。 第4章では、入れ子形式の生活空間としての特質を施主及び建築専門家の実体験による視座に基づいて考察した。そこでは、入れ子形式と日本の住文化との合致性が確認され、さらには空間的余白が住人の精神的余裕へ寄与することが認められた。また、建築空間が、人と環境との関連を必然的に孕みながらも折り合っていく機能が求められるべきであることが示され、入れ子形式の住宅では住空間と環境とが切り離されること無く、相互に関係を持ちながら生活空間の質を規定する新たな設計手法として利用できることが明らかとなった。各章で得られた知見の総括として、開放型入れ子形式の住空間における造形的表現性と生活空間との親和性を明示し、本研究の結論とした。また、今後の研究継続の課題を提示している。
|
日付 |
|
言語 |
|
資源タイプ |
thesis |
資源識別子 |
URI
http://hdl.handle.net/10212/2475
|
学位情報 |
-
学位授与番号
14303甲第880号
-
学位授与機関
-
学位授与年月日
2018-03-26
-
学位名
博士(学術)
|
ファイル |
|
コンテンツ更新日時 |
2021-04-14 |