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ゲンダイ チュウゴク ニオケル カンキョウ モンダイ ト セイジ
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Gendai Chugoku niokeru kankyo mondai to seiji
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はじめにすでに多くの環境汚染にかんする報告や各種報道で明らかなように、中国における環境問題は深刻である。また問題が深刻であるがゆえに、近年、中国政府は環境問題にたいする取組み強化の必要性の認識を深めている。たとえば、1996年7月に開催された第4回全国環境保護会議において、江沢民国家主席がはじめて出席し重要演説をおこなったことは、その一つのあらわれであった。たしかに、それまで中国政府は環境保護の取組みの重要性を繰り返し指摘してはいた。しかし、最高指導者である江沢民が会議に出席し、演説したことは、環境問題もまた国家の重要課題であるとの中国政府の姿勢を明確に示すものであった。また会議は、その後の環境保護にかんする基本方針および長期計画を策定した意味においても重要な会議であった。会議では、95年9月に開催した党第14期5中全会で承認された「国民経済と社会発展『九五』計画と2010年までの遠景目標の建議(以下、「建議」と略す)」、および96年3月に開催した第8期全国人民代表大会第4回会議で採択された「国民経済と社会発展『九五』計画と2010年までの遠景目標要綱(以下、「要綱」と略す)」に示された、環境保護にかんする任務の再確認と、その具体的施策にかんして議論し、「世紀を跨いだ環境保護活動の目標と任務および措置を明確にした」。具体的には「汚染防止と生態保護の双方を重視する方針」を確定し、「世紀を跨ぐグリーン・プロジェクト計画(跨世紀緑色工程規劃)」や「汚染物排出総量規制計画(汚染物排放総量控制計劃)」などの「重要な措置の実施を提起し」たのであった。その後、中国では「大規模の重点都市、流域、区域、海域の汚染防止及び生態建設と保護プロジェクトが全国規模で展開され」、「環境保護活動は新たな段階に入った」とされたとされたのである。さらに、96年8月には国務院は同会議をうけるかたちで「国務院による環境保護の若干の問題についての計画」を策定した。計画は「環境保護の基本国策の更なる深化と持続できる発展(「実施可持続発展」)戦略の実施」と「国民経済と社会発展『九五』計画と2010年までの遠景目標要綱」の実現のために、「2000年までに可能な限り環境汚染と生態破壊の深刻化を防ぎ、一部の都市と地域の環境問題を改善するという環境保護の目標」を設定した。99年1月には、中国政府は、建国以来の経済発展にともない深刻化してきた森林破壊や土壌流出、砂漠化などの生態環境破壊問題の短期(2010年まで)、中期(2030年まで)、長期(2050年まで)それぞれの改善計画を策定した「全国生態環境建設計画」を公開した。こうして環境保護行政部門を中心に様々な環境保護に関連する長期計画の策定がすすめられた一方で、環境保護および資源保護関連法の整備にも力が入れられてきた。1998年末までに、環境保護に関連する法律が6部、資源保護に関連する法律が9部、環境保護行政法規が34件、環境保護部門が整備した規則が90余件、環境保護にかんする地方性法規および地方政府規則が1000余件、環境保護軍事法規が6件、締結および加入した国際環境条約が37となっていた。また、97年の「刑法」改正にともなって、「環境資源保護破壊罪」が加えられた。加えて、1980年代以降、「郷鎮企業法」、「電力法」や「道路法」などの環境保護とは直接関連しない分野での法律および法規の制定の際にも環境と資源保護にかんして十分な配慮がなされてきたのであった。これまでの環境保護の政治的な側面にかんする研究や資料の多くは、環境保護の実施機関の組織と活動の実態、環壌保護関連法律法規の執行状況といった環境保護行政に焦点をあてたものがほとんどである。しかし、上述した環境保護・資源保護関連法規のうち行政機関が制定する行政法規を除いて、いずれもその法的効力が発揮されるのは現代中国における最高権力機関である全国人民代表大会において審議され承認されてからである(地方性法規は地方人代で審議承認される)。また、全国人民代表大会での各代表の環境問題に関連した発言を取り上げる報道は決して少なくなく、代表の環境問題への関心は高い。関心の高さは、環境問題に関連する代表による議案や提案の数に反映されている。そして、後述するように全人代および各委員会は、環境保護関連法律の起草と審査過程において複雑化する環境汚染問題に対応する機能の発揮を求められつつあるのである。環境保護政策を展開するうえで、全国人民代表大会はこれまで一定の政治的役割を果たしてきたし、今後もそうした役割の拡大は期待される。環境保護の実効性を確保するために、問題の政治的側面からの分析も不可欠であるとすれば、全国人民代表大会の動向にもまた十分に関心を払わなければならないはずである。本報告では、今日の中国の環境保護が直面する問題を政治的側面から検討する一つの手がかりとして、環境保護にたいして全国人民代表大会が果たす機能に焦点をおいて報告する。
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表紙上部に"日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業複合領域「アジア地域の環境保全」"の表示あり
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| 出版者 |
慶應義塾大学産業研究所
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| 資源タイプ |
technical report |
| 出版タイプ |
VoR |
| 資源識別子 |
URI
https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AA12113622-00000080-0001
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| 収録誌情報 |
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KEO discussion paper. G : 『アジア地域における経済および環境の相互依存と環境保全に関する学際的研究』
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巻G-80
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| コンテンツ更新日時 |
2023-02-08 |