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Title
  • ja 拡散ロジスティック方程式における最適棲息分布の研究
Creator
    • ja 井上, 順平 ja-Kana イノウエ, ジュンペイ
Description
  • Other 2019
  • Abstract 本論文では,2010年頃にNiが提起した拡散ロジスティック方程式における最適化問題を考察する.この問題は,「限られたエサをどのように配分すればより多くの個体を生存させられるか」という生物学における素朴な問いを数学的に定式化したものである.具体的には,拡散ロジスティック方程式の定常問題に含まれる2つのパラメータ,拡散係数dと資源(エサ)函数m ( x ),を様々に変化させて,方程式の定常解と資源函数のL1積分の比の上限を求めよという問題である.この問題における未解決部分に対して,以下の二つの本質的な結果を得た. [第一の結果]Niは本問題を提出したときに,1次元区間においては積分の比の上限は3であるという予想を立て,その予想はBai-He-Li ( 2016 )によって肯定的に解決された.Baiらはその証明において,3へと至る( d, m )の最大化列を具体的に与えているが,それに対応する解u ( x )の形状の解析をうまく避けている.しかし,最も効率の良いエサの配分を行なったときに生存する生物の分布を調べることは現象を理解するには欠かせないため,著者はBaiらの与えた最大化列( d, m )に対応する解u ( x )の漸近形状を詳しく解析した( Inoue, 投稿中). [第二の結果] 以上のBaiらと著者の結果により,Niによる最適化問題は1次元区間においては解決した.従って,2次元以上の領域において本問題を考察することが次の課題となる.特に生物モデルとの関連から,空間2次元において考察することは重要である.著者は単位球領域において本問題を考察し,2以上の全ての次元nに対して積分の比の上限は無限大であることを証明した( Inoue-Kuto, 投稿中).この結果で,1次元と2次元以上とでは本質的に状況が異なることが分かる.さらに比を無限大とするような最大化列についての詳しい解析を行い,次元による解形状の違いを明確にした.特に生物モデルとの対応で重要な2次元の円盤領域においては,拡散係数dを制御することなく,エサの分布m ( x )のみを上手く制御することで積分の比を非有界にできることが分かった.
Language
  • jpn
Resource Type thesis
Version Type AM
Identifier URI https://uec.repo.nii.ac.jp/records/9638
Dissertation
  • Grantor
    • 機関名称 電気通信大学
  • 学位授与年月日 2020-03-25
  • 学位名 修士
File
    • 1831016.pdf
    • 416.4 kB (application/pdf)
      • Available2020-06-23
Oaidate 2023-09-08